築古戸建は安く買えるのが魅力ですが、リフォーム費用が想定より高くなることも。
どこにお金がかかりやすいのかを知っておくことで、予算オーバーを防ぐことができます。
今回は初心者が特に注意すべき費用のかかる箇所を10選紹介します。
#1 屋根・外壁の補修
屋根・外壁は、最もお金がかかる部分のひとつです。
築年数が経っていると雨漏りや塗装の剥がれがあるため、足場を組んでの補修が必要になります。
私が購入した築40年の戸建では、外壁塗装と屋根の防水補修に約120万円かかりました。
足場代だけで30万円以上でした。
外装は見た目だけでなく建物の寿命に関わる重要ポイント。
しっかり予算を確保しておきましょう。
#2 キッチンの交換
キッチンの交換はリフォーム費用の中でも特に高額になりがちです。
本体価格に加え、給排水や電気配線の工事も必要になるからです。
一般的なシステムキッチンの交換で、設備と工事を合わせて90万円ほどかかりました。
特に古い物件だとガスや水道の位置変更が発生します。
キッチンは妥協できない設備のひとつ。
性能と費用のバランスを考えましょう。
#3 浴室のリフォーム
浴室の全面改修も費用が高くなりやすいです。
防水処理や下地補修、ユニットバスの設置など多くの工程が必要になるためです。
築50年の物件で浴室のリフォームを行った際、タイル撤去からユニットバス導入までで約130万円かかりました。
水回りのトラブルは入居者満足度に直結するため、しっかり投資するべきポイントです。
#4 給排水管の交換
見えない部分の工事である給排水管も、実は高額です。
古い管は詰まりや漏水のリスクが高く、全面交換が必要になるからです。
浴室・キッチン・トイレまで含めて一式交換したところ、約80万円の費用が発生しました。
表面だけ直しても意味がありません。
水道管の状態もしっかり確認しましょう。
#5 床の張替え・下地補修
床の劣化は目に見える部分だけでなく、下地からの修繕が必要です。
築古物件では床がふわふわしていたり、傾いていることが多いからです。
下地から張替えた場合、1部屋で20万円以上かかることも。
全体で40万円以上かかるケースも珍しくありません。
住み心地を大きく左右するので、床の状態もしっかりチェックしましょう。
#6 電気配線・分電盤の交換
築古物件では、電気配線と分電盤の交換に注意が必要です。
古い配線は電気容量が不足していたり、劣化による火災リスクがあるため、安全面からも改修が必要です。
私が扱った築45年の物件では、電気のブレーカーが旧式で、エアコンやIH対応の容量に満たず全体配線の更新を行い、約50万円の費用がかかりました。
見えない部分でも安全性は非常に重要。
必ず電気系統の点検と更新を検討しましょう。
#7 断熱材の施工と窓・サッシの交換
冬場の寒さ対策に断熱性能の向上は欠かせません。
築古戸建は断熱材が入っていなかったり、窓が単板ガラスで結露や寒さが酷いケースが多いためです。
私の所有物件では、断熱材の吹付けと二重サッシの取り付けを行い、合計70万円ほどかかりましたが、光熱費と入居者満足度の面で大きな効果がありました。
住み心地の向上は退去率の低下にもつながります。
断熱は費用対効果が高いポイントです。
#8 建具・ドアの交換
室内外のドアや襖・引き戸の修繕費も意外にかかります。
枠の歪みや動きの悪さ、鍵の不具合などが多く、交換または大幅な調整が必要になることがあるからです。
築40年超の物件で、玄関ドアと2つの室内ドア、収納襖を交換したところ、合計で約25万円の費用になりました。
見落としがちな建具にも目を配り、修繕の優先順位を決めて計画的に対応しましょう。
#9 外構・塀・玄関アプローチの整備
敷地外観も物件の印象を大きく左右するため、費用をかける価値があります。
古い塀のひび割れや崩れ、雑草だらけのアプローチは物件価値を下げ、入居希望者にも悪印象を与えます。
私の物件では、土間打ち、フェンスの新設、ポスト・表札の交換で約40万円かかりました。
外構は“物件の顔”。費用をかけることで資産価値や収益性にも直結します。
#10 耐震補強工事
築古戸建では、特に耐震性の確認と補強が必要です。
1981年の耐震基準改正以前に建てられた物件は、地震リスクが高く、金融機関からの融資も通りにくくなることがあります。
耐震診断+補強工事で約80万円かかりましたが、その後の売却時には「耐震済み物件」としてスムーズに話が進みました。
目に見えないが大事な基礎部分。安全・信用・資産価値すべてに影響するため、ぜひ検討を。
✅ まとめ|築古戸建のリフォームは“見えない部分”にこそ予算を割くべき
築古戸建のリフォームでは、外観や水回りといった分かりやすい場所だけでなく、給排水管・電気配線・耐震補強など「目に見えにくい部分」にこそ大きな費用がかかります。
特に初心者は、安く購入できた安心感からリフォーム費用を甘く見てしまいがちですが、しっかり予算を立てておかないと、後から追加費用に悩まされることになります。
今回ご紹介した10のリフォームポイントは、どれも築古物件において“よくある落とし穴”です。
物件購入前に現地調査を行い、リフォーム業者と相談しながら一つずつ見積もりを取りましょう。
そして、何より大切なのは「費用をかけるべきところ」と「節約できるところ」の見極めです。
収益性を保ちつつ、長く住まわれる物件を目指して、リフォーム計画は丁寧に進めていきましょう。
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